出店の用心棒 小冊子③「店主は客を愛し、用心棒は店を愛す」

 

比嘉 働く側のニーズに応えられるようなお店があってもいいなと思っていて。

どうしてもお酒業態だと深夜になるじゃないですか。そうすると主婦が働けなくなっ

たりする。

じゃあ弁当を売るとか。

働く側が選んでもいいと思ってるんですよ僕は。

それに合わせた何か作ればいいと思っていて。

例えば「ききょう」は夜十一時半迄はおでん屋でやってるんですけど、その後から朝の五時までは   「茉莉花(まつりか)」っていうスナックバーでやるんです。それで暖簾を変える。カメレオン店舗じゃないんですけど。

そういうイメージで御社に工事をお願いしました。

秋山 なるほど。二毛作だね。

 

 

カッコいい店作りますから 信じてください

比嘉 最初めっちゃ疑いましたけど(笑)

他一同 (大苦笑)

比嘉 基本、内装のことはわからないんで、施工管理の及川さんに全部お願いして、色もお願いしたんですけど、店内の壁をベージュって提案されまして(苦笑)

「べ?ベージュ?合います???」ってなって

何しろもうもうよく分からなくて。

「※パース下さい!パース下さい!」って。
イメージがわからないから不安しかな

いじゃないですか。     

※パース(外観や内装を立体的な絵にしたもの)


及川
 自分もよく覚えてるんですけど、パース作るとなるとトータルで工期が間に合わなくて。
最後は「かっこいいの作りますから!信じてください!」で通しました。

比嘉 で、わかりました、お願いしますってなりまして。
窓側のシールを貼った後も信じてなかったんです。
は?これですか?って。

及川 覚えてます。

比嘉 ここから何かあるんですよね。って聞いたら
「いやこれです。」って。

他一同 (爆笑)完全に疑われてる。

比嘉 でも、照明変えたら綺麗になったんですよ。
ほおーっていう。もうなんか…(笑うしかないご様子)

及川 白色じゃなくて、電球色系でちょっと魅せましょうって。

比嘉 それがなんか、素人はわからないっていうかねえ  (苦笑)

及川 自分のイメージはあるんですけど、上手く伝えられなくて。

比嘉 実は、別件で秋山さんとお仕事をさせて頂いた時の立ち回りがめっちゃ凄くて。
そういう背景があったから、及川さんの言葉も信じて任せられたのかもしれないですね(苦笑)
現場に行って、バミって「これですよ、いけますか」

※バミる(実際に現場を見る。演劇の舞台で、役者や出演者の立つ位置や道具を置く場所にあらかじめ目印を付けること。)

比嘉 秋山さんって図面上で答え合わせじゃない・・。現地に行ってバミって
「これですよ、いけますか?」なんですよ。
それを見て僕も「ダメですね。どう見てもこれじゃきついですね。」ってなって最終的に席数を減らしたってことがあったんです。

最初は僕もあんまり信じてないもんだから、           
「もうちょっと席数が取れません?」みたいな話になるんです。

それでも秋山さんは静かに進める。
「それだとやっぱりゆったり感もないですし、家族だったらどうかな。」って。

じゃあ・・・って全部現場でバミって座るとこうなりますよ、
導線どうですかこれですよってなった時に、
「そうか。これじゃやっぱりきついですね。」って。

秋山 図面で話してもわからんから、現地に行って  床に全部テープ貼ってやる(笑)


比嘉 
実は以前、店舗内装では痛い目にあってるんですよ。