出店の用心棒 小冊子④「店主は客を愛し、用心棒は店を愛す」
比嘉 例えば、店を開くほうとしたら席数も取りたいなあと思うじゃないですか。
その時は、図面上では「できますね。導線も大丈夫ですね。じゃあこんな感じで作ってください。」って丸投げして作ってもらって完成したんです。
でも、いざお客様が来店されて、着席されてってなると導線がもう取れてない。全部ぶつかってしまう。
スタッフがぶつかる分にはいいんですけど、当然お客様同士もぶつかる。
要はお願いしたところが、飲食店の設計をやったことのない設計士さんだったんです。
オープンしてから
後悔しないで欲しいから
比嘉 以前、秋山さんにお願いした店舗は、僕がプロデュースして二週間くらいでオープンする予定でしたよね。
秋山 そうでしたね。最初はそのオーナーさんもお金をかけたくないから内装も設備もそのままに近い形でやる予定でしたよね。
ところが、建築のタイミングでどんな店を作りたいのか、メニュー構成をどうするのか決まってなかった。
そうすると、本来は図面なんか引けないんですよね。厨房機器もそのまま使うとかおっしゃってたんですけど、それがこれからやるメニューに合ってるかどうかわからない。
テーブルとかもニトリに発注なさるご予定でしたね。
みなさんで一生懸命考えられて、寸法は確かに測っておられたんだけど、どんな料理をどのくらいの大きさの食器で出すのかまで想定なさってなかった。
やはり経営する側としては、一時的にでも出来るだけ集客して、出来るだけ回転数を増やしたいというのが本音だから、そこだけの寸法で考えて作ってしまいそうになっていました。
ゴールデンウイークにオープンするとおっしゃっていましたが、 「ゴールデンウイークのオープンはやめましょう」とお伝えしました。結局、一番最初に来たお客様が「また行こう」と思えるような形を作ってからでないと一発でアウトですから。